
手袋は「はく?」「つける?」
豆知識
江本手袋は創業して80年以上、手袋を作り続けてきました。
僕は生まれた時から手袋づくりの中で育ち、何の疑問も無く手袋に関わっていました。
以前、ふと思い立って図書館などで手袋(グローブ)とは何か、自分なりに調べてみたことを備忘録として残したいと思います。(思い出したら時々追記したいと思います)
なぜ、手袋は「はく」なのか?
日本における手袋の歴史は意外に浅く、外国から手袋の形をした「グローブ」がもたらされたのが寛永18年(1639年)といわれ、日本国内で手袋の製造が本格的に始まるのは明治になってからだったようです。
それまでは「手甲」のほうが一般的だったので、「グローブ」を日本語で表現するのに苦労したと思います。
そこで最初についた名称が「手靴(てぐつ)」です。手の靴なので、身に付けるときは「履く(はく)」と言いました。
後に「手袋」と名称は変わりましたが、「手袋をはく」という言葉だけが残り、方言になった、と言われています。
ところが、ちょっと調べたら、上記の説に異を唱える方もいました。
色々な話があって面白いですね。
以前、北海道を旅行したときのこと。バスガイドさんが「北海道では手袋を”はく”と言います」と方言の紹介をしてくれて、初めて「手袋をはく」は方言であることに気付いてとても面白かったことを思い出します。
ひょっとすると、手袋を「はく」は、「佩く」が本当なのかもしれませんね。
江本手袋 三代目 江本 昌弘